吉祥寺発「風船会計」の革命…子供にも教えたい魔法の会計メソッド

吉祥寺にオフィスを構えるStar Compass社。代表は松本めぐみ氏。以前、「【潜入レポ】吉祥寺で最もオシャレなオフィス…実は工場の支店だった!」でも紹介したMKK(松本興産株式会社)の取締役も担っています。

同社のことは、まだまだ知らない人がほとんどでしょう。それもそのはず、まだ立ち上がって間もない会社でして。

とはいえすでに本の出版、各メディアに取り上げられ、会計業界では口コミで話題になり、セミナーを開催すると常に満席。

気になる話題の中心は、松本氏が考案した「風船会計メソッド」。MKKの組織風土を大きく変えるに至った魔法のような会計メソッドです。

下町ロケットを思わせる嘘のような話が現実にあったのです。

下町ロケットのような泥臭い話、皆さん好きですよね?ちょっとお話を伺ってまいりました!

編集長

本日はよろしくお願いしますm(_ _)m

 

松本めぐみ氏プロフィール

人見知りの子供時代から高専での留学とアルバイト経験を経て、米半導体装置メーカーでエンジニアとしてがむしゃらに働く。その後、スイスでMBAを取得。帰国後、松本興産の2代目社長と結婚、そして同社へ入社し、経理・総務・人事を担当。3人の子育てと仕事の両立に苦労しながらも、風船会計メソッドを開発。

ピラミッド型組織からサークル型組織へ大改革

プロフィールにあるとおり、松本氏は松本興産社の2代目社長の奥様であり、経理、総務、人事といったコーポレート部門の責任者。しかし、その役職に就いてすぐに、会計を現場に落とし込む難しさを痛感したそう。

編集長

会社はどんな問題と直面していたのですか?

 

松本氏

問題は山積みでした。数字だけを並べてもピンとこない人が多く、現場と経営側の意見の相違や、ピラミッド型の組織などなど…これが私の直面していた現実でした。

 

編集長

組織って、常に付いて回るのが人間関係問題ですよね…僕も人間関係が悩みのひとつで転職した身なので痛いほどわかります。

 

松本氏

でも社員の話をよくよく聞いてみると、みんなそれぞれ当事者としての悩みであることに気づいたんです。つまり、自身の立場としては真っ当な意見を主張していて、それが対立しているだけなんですね。

 

編集長

なるほど。エゴとか相手を嫌がらせたいといったことではなく、自身の仕事をうまく動かしたいという思いから来ている主張というわけですか。

 

松本氏

はい。ということは、社員みんなが方向を向くことができれば、多くの問題は自動的に解決できるんじゃないかって、そう思うようになったのです。

 

この混乱の中で、松本氏が考えたのは「どのようにすれば現場の社員同士が円滑にコミュニケーションをとり、雰囲気がよくなるか」でした。それから8年に渡り、彼女は心理学や脳科学、組織論、アート思考、密教などを学び、社員全員が幸せになれるような会計メソッドの開発を始めたのです。

アイディアを描いた実際の紙

その結果生まれたのが、「風船会計メソッド」。彼女がこのメソッドを社員向けに研修し始めたところ、会社の数字を意識する社員が増え始めました。

社員全員が会社の数字を意識し、お互いに助け合える状態へと変貌。経験、年齢、性別、学歴関係なく、誰もが自発的に考えて意見を言える組織を実現したというのです。

編集長

・・・いや待ってください。そんな社員が会計わかっただけでそんなに激減します?(半信半疑)

 

松本氏

そう思いますよね。でも会計ってよくできてて、会社にとっての「宝の地図」なんですよ。

 

編集長

「宝の地図」…ですか?またまたそれはちょっと言い過ぎでは Σ⊂(´∀`)ドナイヤネン(失礼)

 

松本氏

いえ、これが身をもって体験したので言えるのですが、普通は役職や所属部署によって会社や組織を見る視点が違い、社員同士で伝えたいことがなかなか伝わらないのですが、会計という共通言語をもつことで、「会社」という船に乗る社員一人ひとりが同じ目的地へ進むことができるんです。

 

社内研修の様子(写真は松本氏提供)

それまで社員たちは自分がどれだけ会社に貢献しているかを実感できずにいましたが、風船会計メソッドの導入により、その貢献度を明確に把握することが可能となりました。「それが結果として自信につながり、組織全体のエネルギーになったのです」と彼女は強調します。

社内研修の様子(写真は松本氏提供)

そしてその効果は経営にも表れました。在庫が1億円あったものが、みるみるうちに6,000万円まで減少。しかも、それは経営陣から「在庫を減らせ」と指示をせずとも、自然と現れた結果でした。社員の満足度はみるみる上がり、組織風土がガラリと変わったそう

また組織体制をピラミッド型からサークル型に変更し、上司が指示を出す訳ではなく、自発的なアイディアが出るようにも改革。

「風船会計メソッドの力で、社員が自己の貢献度を意識し、それが結果として会社全体にポジティブな影響をもたらしました。」と松本氏は語ります。

こうした劇的な改善を遂げた後、彼女はこの方法を広く共有することを決意。「風船会計メソッド」の出版に至るまでの経緯を伺うと…

松本氏

私の経験が他の組織や社員の方々の役に立てるのなら、それが私の一番の願いです。だからこそ、この風船会計メソッドを広く伝えたいと思い、本を出版しました。

 

風船会計メソッドとは?

上記で“魔法のようなメソッド”と表現しましたが、実際には魔法でもなんでもなく、実体験と、脳科学や心理学など科学に裏付けられたガチガチの科学的メソッドです。

「風船会計」では、損益計算書を「風船」と「気球」で表現しています。風船の全体が「売上」で、風船外形が大きいと売上が多く、小さいと売上が少ない。風船の中には「重り」=経費が入っており、風船の中からこの重りを引いて残ったヘリウムガスが「限界利益」になります。風船にどんどんヘリウムガスがたまってきたら、このガスを「気球」に移していって・・・

セミナーの説明資料

と、会計という一部の人にしか理解できない左脳的な仕組みを、イメージやストーリーで感覚的に捉えられるようにする(右脳をフル回転させる)ことで、誰もが同じレンズで会社の実態を見ることができるようになります。

驚くべきは、風船会計メソッドを使うことで、子供でも簡単にお金の知識をつけることができること。実際、松本氏は小学生向けにも風船会計の講座を開講しています。(吉祥寺でも開催するってよ!詳細は記事の最後で

子供向けの資料を楽しそうに話す松本氏

幸せになるためのお金の知識

編集長

松本さんの行動力に驚かされっぱなしなのですが、今後の野望はあるのですか?

 

松本氏

この風船会計メソッドを、多くの人に知ってもらい、誰もが幸せになってほしいんです。

 

その声には一切恥ずかしそうにするそぶりもなく、むしろ、その思いが深い確信として彼女の中に根ざしていることが伝わってきました。

現在、彼女は風船会計メソッドの普及活動に尽力しています。「これが多くの企業で採用され、社員一人一人が『会社に使われている』という受け身な姿勢から解放されて、能動的に会社の経営に参加することで、幸せな職場が増えることを心から願っています。」と笑顔で語ります。

彼女は幻冬舎から「風船会計メソッド」の書籍を出版し、さらに多くの企業に普及するための活動を行っています。

松本氏の頭の中にある”風船”から、新たなビジネスの風が吹き始めていることを感じました。数字とは、ただの数値ではなく、組織とその中の人々を動かすエネルギーであり、そのエネルギーを全員が共有することで、それが「宝の地図」組織は新たな方向へと進むことができる。これが松本氏の教えてくれる風船会計メソッドの魅力です。

本に出てくる豚レンジャー

何かを成し遂げたいと思う全ての人々へ、風船会計メソッドは新たな風向きを示す羅針盤となることでしょう!

本が気になったら下記より購入を▼

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親子で“お金”を学ぼう

2023年8月2日(水)、吉祥寺で親子でお金を学べる“風船会計メソッドセミナー”が開催されます!

「お金に関する教育は、子どもたちが将来生きていく上で重要です。お金に関する教育の大切さを知って欲しい」という松本氏の願いが込められたイベントです。

■セミナー内容

  1. おもちゃを使いながら子どもでも楽しく会計の基本を理解できる
  2. 世の中のお金の流れを知る
  3. 会計だけでなく、心について大切なことを知る

編集長も子連れで参加します!!

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