約2倍に拡大した新生「Maker’s Watch Knot」吉祥寺本店|時計屋なのに時を忘れて“迷う”体験

2025年11月16日(日)、「Maker’s Watch Knot 吉祥寺ギャラリーショップ本店」が移転リニューアルオープンしました。

ブランド発祥の地・吉祥寺の“本店”が、より広く、より見やすくパワーアップ。早速行ってきたので、店内の様子やブランドのこだわり、創業者・遠藤社長へのインタビュー内容も交えながらレポ!

10年目の原点回帰。吉祥寺本店がゆったり空間に拡張

Knotは、2015年にクラウドファンディングをきっかけに誕生した日本の時計ブランド。吉祥寺の小さな直営店からスタートし、いまや全国14店舗、海外からのファンも多い存在へと成長しました。

成長とともに吉祥寺店はだんだん手狭に。 そこで今回、「もっとゆったり選んでほしい」という思いから、中道通り沿いに拡張移転を果たしました。扉を開け放てば、通りから店内の賑わいまで見渡せる開放的なショップに生まれ変わりました。

目を引くのが、グレーのタイルが敷き詰められたシックな外観と、通りに向かって大きく開かれた開放的なガラス扉。以前の店舗をご存知の方なら、「えっ、こんなに広くなったの!?」と驚くはず。中道通りの賑わいと自然光が溶け込み、とても入りやすい雰囲気。

“時計のミュージアム”光あふれるギャラリー空間

店内に入るとまず目に飛び込んでくるのが、どーん!と中央に鎮座するロングテーブル。Knot名物のカスタムスペース「センターテーブル」が、旧店舗比で約2倍のサイズになりました。

文字盤の異なる時計本体と、革・ナイロン・伝統工芸などを使ったベルトがズラッと整列。テーブルの上には、同じものがふたつとない時計本体とストラップが、美術館の展示のように並んでいて、眺めているだけでうっとりするほど圧巻。

これだけの種類が目の前に広がっていると、選ぶ楽しさを通り越して、もはや嬉しい悲鳴が出てしまう・・・

白を基調とした内装に、自然光が差し込む明るい空間。壁面には、日本各地の「MUSUBUパートナー」=職人や工房の紹介パネルも掲出されていて、ただの時計店というより“日本のものづくりギャラリー”といった雰囲気です。

「迷うこと」こそが、最高のエンターテイメント

Knotといえば、やっぱり“時計本体 × ベルトを自由に組み合わせて選べる”カスタムオーダー。

時計選びそのものを“体験”としてデザインしています。

実際にテーブルの前に立つと、ビュッフェ形式のレストランに来たようなワクワク感。「仕事用にシックなレザーかな?」「いや、休日は遊び心のあるナイロンベルトで外しを効かせようか?」なんて考えていると、時間はあっという間に過ぎていきます。

今回、取材中に遠藤社長にお話を伺うことができました。

「自分で時計を創り上げる、日本らしい楽しみを体験してもらえれば」

そう語る社長の言葉通り、ここでは単に「モノを買う」のではなく、「自分のスタイルを作る」というプロセス自体が商品なんです。

また、店内にはアドバイザーと呼ばれるスタッフさんが常駐。「機械式に興味があるけど手入れが不安」「ペアウォッチにしたいけど、全く同じは恥ずかしい」といった悩みに寄り添い、プロの視点で最適な組み合わせを提案してくれます。

左:店長の中尾さん 右:エリアマネージャーの坂本さん

「一度お店を出て、頭を冷やしてからまた来てもいいんですか?」と聞くと、「もちろん!迷うくらい楽しんでください」との笑顔。この距離感の近さも、吉祥寺らしさ。「迷うこと」こそ最高のエンターテインメント!

ちなみに参考として、オシャレな店長の中尾さんと、スーツが似合うエリアマネージャーの坂本さんの腕元をどうぞ▼

日本の伝統工芸を“日常使い”に落とし込む

Knotが掲げるテーマは「日本の伝統工芸を世界へ」。遠藤社長によると、着物や帯締めなど、日常ではなかなか触れることが少なくなった技術を、誰もが使う腕時計のベルトに落とし込むことで、世界中の人に届けたいという思いからスタートしたそう。

金沢箔を使用した、400年の伝統美を誇るウォッチ

たとえば浅草の職人が手がける「スキモレザー」。これ、ただの革ベルトじゃないんです。 遠藤社長に伺ったエピソードが凄すぎました。

「浅草の清川という場所に、ピカソのような職人のおじいちゃんがいるんです(笑)。彼は本当にアーティストで。何層にも重ねた革をプレスして、それを横からスライスすることで、この独特の年輪のような模様を生み出しているんですよ」

プリントではなく、革の断面が作り出す天然のアート…実際に手にとってみると、その立体感と温もりに感動します。ひとつひとつ表情が違うので、“世界に一本だけのベルト”という特別感もあります。

この技術を持った職人さんを、社長や社員さんが自ら足を使って探し出したというから驚き。

ゼンマイだけで時を刻む、人気の機械式シリーズ

今、同ブランドで圧倒的に人気を誇るシリーズはゼンマイのチカラだけで時を刻み続ける機械式モデル。

文字盤の一部がくり抜かれ、内部のゼンマイがチラリと覗くオープンハートや、裏側からムーブメント全体が見えるスケルトン仕様など、見ているだけでワクワクするラインナップ。

ゼンマイを巻くだけで動き続ける機械式時計は、電池交換も不要。「時間を見るたびに“中でちゃんと動いてるかな?”と、つい裏側まで眺めてしまうんですよね」と遠藤社長。腕につけるだけで動き続ける姿に、男心だけでなく、機械の美しさに惹かれる女性ファンの心も鷲掴みにすることでしょう!

Knot THE STRAPコーナー

今回のリニューアルで個人的に目を奪われたのが、Maker’s Watch Knotから生まれたストラップブランド、Knot THE STRAPコーナー。

純正ベルトは高価なうえ、最近はレザー系が少なくなっているなかで、Knotのバンドは6,000〜7,000円台が中心。カッチリしすぎない上質レザーや、和柄のテキスタイルなど、スマートウォッチとは思えない豊かな風合いが、毎日のコーディネートをワンランク上のものにしてくれます。

専用アダプターを使えば、Knotで取り扱う全てのベルトがApple Watchに取り付け可能です。「最初はApple Watchのベルト目的で来店されて、その後“せっかくだから本体もKnotで一本作ろうかな”とリピーターになってくださるケースも多いです」とスタッフさん。

時計から入る人も、ベルトから入る人も、入り口を広く用意しているのがKnotらしい。

時を忘れる時計屋

ここは単なる「時計屋さん」ではないです。

日本の職人さんの技術に触れられる「ミュージアム」であり、 自分だけのお気に入りを探す「アトリエ」でもあります。

自分へのご褒美はもちろん、大切な人へのギフトにも最適。 「相手のために、自分がパーツを選んで組んだ時計」って、特別感を演出できますよね。これから大切なギフトをあげる季節。

お散歩がてらぜひ覗いてみて。きっと、時を忘れて見入ってしまうはず。時計屋なのにね。

店舗概要

店名 Maker’s Watch Knot 吉祥寺ギャラリーショップ本店
営業時間 11:00〜19:00
定休日 不定休
TEL
住所 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-33-3 マンションオオクラ1F
地図
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