昭和生まれは必見…吉祥寺シアター、劇場前でダイヤル式電話機で体験型の演劇作品を開催

吉祥寺シアターでは2022年3月1日(火)〜28日(月)まで、劇場前のベンチにて「ベンチのためのPLAYlist」というダイヤル式の電話機を使った体験型の演劇作品を開催しています。

昭和生まれには堪らない演出。しかも無料

詩人、小説家、劇作家など8名の作家が書き下ろした「吉祥寺シアターのベンチで聴くためのテキスト」を4名の俳優が朗読。音声は期間中、ベンチに設置されたダイヤル式の電話機から聴くことができます。

作品は昼夜2つのプレイリストに分けられ、時間帯に応じて4作品ずつを上演。1作品あたりの上演時間は5〜10分程度で、劇場の来場者以外の方も気軽に体験できます。

構成、演出は『もしもし、シモーヌさん』(2021年YPAMフリンジ)などここ数年「電話演劇」を多く手掛ける「かもめマシーン」主宰の萩原雄太氏。美術、空間デザインは建築家の福留愛氏。

また、関連イベントとして「ロビーのためのPLAY」も開催。吉祥寺シアターだけでなく、市内の各地に電話機を設置、書店、カフェ、図書館などでも電話演劇の作品が楽しめます。

ダイヤル式の電話機から流れる朗読に引き込まれる

僕も一度、体験してまいりました。

ベンチに座り、ダイヤル式の電話機の受話器を持ち上げ、「ツー」という音が鳴っていることを確認。各プレイリストはそれぞれ電話番号が異なるので、聴きたい朗読の電話番号にかけます。

1つ1つの数字を金具の部分まで回す・・・この面倒くさい感じ、レトロ感満載!!

ダイヤルを全て回し終えたら呼び出し音が鳴り、プレイが始まります。

内容は聴いてみてのお楽しみですが、ベッドに寝ながら聴きたい。

俳優さんの素敵な声と、何気ない日常を描いた作品に引き込まれます。

このクオリティーで電話代すら不要。無料で聴けちゃっていいの?!

昭和生まれの方であれば、感動的な体験が待っていることをお約束します!

『ベンチのためのPLAYlist』アーティストプロフィール

〇萩原雄太(構成・演出)
1983年生まれ、茨城県出身。演出家・劇作家・フリーライター。早稲田大学在学中より演劇活動を開始。愛知県文化振興事業団が主催する『第13回 AAF戯曲賞』、「利賀演劇人コンクール2016」優秀演出家賞、浅草キッド『本業』読書感想文コンクール優秀賞。

ロビーのためのPLAYテキスト

〇平田俊子(詩人) 詩集に『ターミナル』(土井晩翠賞)『詩七日』(萩原朔太郎賞)『戯れ言の自由』(紫式部文学賞)、小説に『二人乗 り』(野間文芸新人賞)、戯曲集に『開運ラジオ』、エッセイ集に『スバらしきバス』『低反発枕草子』など。読売 新聞「こどもの詩」選者。

昼のプレイリストテキスト(五十音順)

〇犬飼勝也(劇作家・演出家) 「犬飼勝哉」名義のソロユニット形式で演劇作品を上演している。『木星のおおよその大きさ』(2018)で第一回前田司郎戯曲賞(私設)を受賞。コント作品や小説の執筆、近年はライブ配信を積極的に取り入れ、上演の新たな可能性を模索中。

〇瀬尾夏美(アーティスト)  アーティスト。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2012年より3年間陸前高田を拠点にした制作を経て、2015年仙台で、土地との協働を通した記録活動を行う組織NOOKを立ち上げる。単著に「あわいゆくころ」「二重のまち/交代地のうた」。

〇武本拓也(上演)
歩行を中心とした上演を行っています。武蔵野美術大学 映像学科卒業。美学校実作講座「演劇似て非なるもの」修了。公演に『山を見にきた』(Dance New Air 2020>21)、『正午に透きとおる』(TPAM2019フリンジ)など。

〇中島梓織(劇作家・演出家)
1997年生まれ。茨城県出身。2016 年、早稲田大学演劇倶楽部に入部。同期の松浦みるととともに「いいへんじ」を結成。以降、全ての作品の作・演出を務める。現在は、杉並区・高円寺の銭湯「小杉湯」で働きながら、団体内外で演劇活動を続けている。

〇大崎清夏(詩人)
神奈川県出身。詩集『指差すことができない』で第19回中原中也賞受賞、『踊る自由』で第29回萩原朔太郎賞最終候補。絵本やエッセイ、海外詩の翻訳、異ジャンルとの共同制作なども多数手がける。2019年ロッテルダム国際詩祭招聘。

〇五所純子(文筆家)
1979年生まれ。大分県宇佐市出身。文筆家。単著に『薬を食う女たち』(河出書房新社)、共著に『虐殺ソングブック remix』(河出書房新社)、『心が疲れたときに観る映画』(立東舎)など映画・文芸を中心に多数執筆。

〇佐々木中(作家・哲学者) 博士(文学)。『切りとれ、あの祈る手を–〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』『夜を吸って夜より昏い』等、 著書多数。

〇得地弘基(劇作家・演出家)
1991年、富山県生まれ。2011年からお布団として活動し、演出・劇作を担当する。2015 年からは東京デスロックに演出部として所属。劇作家としては、ギリシャ悲劇などの古典に、現代の社会問題や文化のイメージを混ぜ込んだ改作を得意している。

公演概要『ベンチのためのPLAYlist』

【日時】2022年3月1日(火)〜3月28日(月) (予定)9:00〜昼のプレイリスト/19:00〜夜のプレイリスト
【会場】吉祥寺シアター前のベンチ(JR中央・総武線/京王井の頭線 吉祥寺駅北口 徒歩5分)
【料金】無料
【予約】不要
【テキスト】
 (昼)犬飼勝哉 瀬尾夏美 武本拓也 中島梓織
 (夜)大崎清夏 五所純子 佐々木中 得地弘基
【出演】安藤朋子 伊藤新 キヨスヨネスク 清水穂奈美
【構成・演出】萩原雄太
【美術・空間デザイン】福留愛(iii architects)
【電話制作】立原充泰
【制作・運営】吉田恭大(吉祥寺シアター)

公演概要『ロビーのためのPLAY』

【日時】2022年2月10日(木)〜3月28日(月)
【会場】吉祥寺シアターロビー 他、市内数か所を巡回予定
【料金】無料
【予約】不要
【テキスト】平田俊子「『幡ヶ谷原町』バス停」
【出演】安藤朋子
【構成・演出】萩原雄太